首輪デビュー♪
先日注文した、猫共の首輪が届いた。
早速、二匹をつかまえて、それぞれ首を通してみた。
リボンで慣らしていたお陰か、どちらもほとんど抵抗せず、あっさり成功。つけた後も、特に気にしている様子はないので、今後もどうやら大丈夫そうである。
まずは安心。
なぜ、今頃になって首輪をすることにしたか、発端については、9月3日(ダメにリボンをつけたとき)に書いた。
ただし、その時点では、首輪購入はまだ「検討中」であった。その後、きちんと製品として製造された首輪を購入すると決めたのには、別のきっかけがある。
私が首輪を避けてきたのには、理由がある。市販の首輪は重いからだ。
自分だって少し重めのネックレスをすると肩が凝るのに、人間の10分の1弱しかない猫に、同等の重さのものをつけさせて良いものか。
以前、ペットショップでジンの首輪を物色していて、ショックを受けた。高級な革細工の首輪は、人間の手にもずっしりと重みを感じた。そのほか、ラインストーンを飾ったもの、ネックレス風のもの、そして人工皮革を用いた一般的な首輪。いずれも、手に持ってみて「軽い」と感じるものは、一つもなかった。
結局、ジンには、端切れを袋縫いにして作った首輪をつけてやったが、布の材質が悪かったらしく、見るも無残に毛羽立ってしまい、失敗に終わった。ジンは、その数年前に私が深く考えずに購入した、既製品の首輪をつけたまま、この世を去った。
ミミが我が家に来たときには、綺麗な漆黒の半長毛を台無しにしないようにと、サテンのリボンをリボン結び状態に縫った首輪を作ってみた。
見た目は可愛かったが、これも失敗に終わった。
リボン結びの部分が、(重い部分はどうしても顎の下に回ってきてしまうので)、フードや水の中に入ってしまって、衛生上の問題が生じたためだった。
その後、いろいろ素材を検討したが、考えているうちに面倒くさくなって、何となくやめてしまった。早い話、私はそんなにマメな性格ではなかったのである。こうして、我が家の猫共は、首輪なしの家庭内野良(?)生活を送ることとなったのだった。
ミミの場合、サテンのリボン自体は、素材として悪くはなかった。
そんなこともあって、友達に首輪問題を相談していたときに、こんなことを、ふと口にしていた。
「何も首輪にこだわらなくても、リボンを結んでやれば、用は足りるんじゃないかなあ。」
「いや、それはだめだと思うよ。」
友人は即答した。
その理由。
彼女は、大きな公園の中を通って通勤している。そこには、ブルーシートの「テント村」がある。
「そこのおじさんたちは、自分のものにしている野良猫の首に、紐とかを結んでるの。だから、リボンが汚れちゃったら、その猫たちと見分けがつかなくなると思うよ。」
なるほど。
でも、テント村のおじさんたちって、猫なんか飼うの?
「冬場、暖房代わりにしているんじゃない?」
・・・・・・。
それ、アタシもやってる。
私が、首輪購入を決意したのは、この瞬間であった。
もちろん、首輪の重さに対する不安が消えたわけではない。それに、当初の目的からすれば、首輪をするだけでは事は済まない。このために、首輪にネームプレートをつけるとなると、重量は更に増える。
どうしたものか。
探しているうちに、見つけた。
ネット通販の首輪屋さん。その名も「猫の首輪工房」。
布素材の、軽くて軟らかい首輪。猫専用。大手通販のカタログに出ていた、ネームプレート1枚よりも軽い。しかも、首輪そのものに名前や電話番号を入れてもらえるから、首輪のほかにネームプレートをつける必要がない。
ここの首輪は、素材の布地そのもののプリントの可愛らしさを除けば、デザインはいたってシンプルである。余計なものはつけないことで、重量と異物感を最低限に抑えている。
そう、首輪のファッション性なんて、所詮は飼い主のエゴに過ぎない、と、私は思う。
「猫の首輪工房」の首輪は、柄の豊富さだけで、充分、可愛らしさや楽しさを演出している。値段も極めて良心的だ。ただし、手作りなので、少々時間がかかる。
だが、何よりも「猫のため」を第一に考えて首輪をデザインしている、その姿勢に感動した。ぜひ、この首輪を、うちの連中に買ってあげたい、と、真剣に思いつつ注文した。
ダメには、紺色のジーンズ地。
ムムには、赤いジーンズ地。
いずれも、内側は同色のギンガムチェック。名入れは外側にした。
以下に写真を載せる。
無地でシンプルだから目立たないが、我が家の引っ込み思案な地味猫たちには、よく似合っていると思う。
これこれ、お前たち。
作ってくれた人たちに、感謝しなさいよ。
(ついでに、これを選んで買ってやった、家主にもね。)