いつの間にか大晦日

 

 わわわわわ!!!!

 もう大晦日。というより、もうじき年が明けてしまう。

 すみません。今年も真面目に更新しませんでした。

 

 

 で。

 その後ですが。

 茶白のお嬢さんは、しっかり我が家に居座っています。

 いや。

 もう、「お嬢さん」なんてもんじゃないな…。

  

 

 友人達には、まだ可憐なうちにお嬢さんを見においで、と、言っていたのだが。

 まだ彼女が来て日が浅いころに、一度、我が家に来た友人さくらは、「高身長の美人キャラに育ちそう」と言ってくれたが、残念ながらそうはならなかった。

 十月にワクチン接種に連れて行ったとき、お嬢さんの体重は三・二キロだった。

「まだ大きくなりますよ。」

 先生がおっしゃったことを受けて、さくらは「高身長」と言ったのだが、我々の予想に反し、その「大きく」は、タテではなくヨコだったのである。

 だいたい十一月に入ったころから、私の脳裏に、ウィスキーの幻想がよぎるようになっていた。

 目の前を、白のペイントを施した茶色の樽が横切るのである。

 小さな樽である。だが、その代わりに、「のしのし」という擬音が付く。

 いやちがう。これは猫だ。

 小さな頭。ややO脚気味の四肢。ペンライトテール。

 そして――

 樽のような胴体。

 

 

 

「確かに、樽だわね。」

 それから二か月足らず。昨日、久しぶりに我が家に立ち寄ったさくらは、あっさりと前言を撤回した。

「でも可愛い。顔ちっちゃいわねえ、アナタ。」

 樽はさくらの膝の上である。

 なるほど、小顔か。

 モノは言いようだ。

「そう、頭ちっちゃいんだよね、こいつ。栗助の半分くらいしかない。」

 言いながら、思い出す。

 姉が以前、実家のりりについて力説していたこと。

「何しろ、味噌汁一杯分くらいの脳みそしかないんだから。」

 我が姉ながら、このひとは時々、実にパンチの効いた発言を放つのである。それ以来、味噌汁に味噌を入れるたびに、私はその一言を思い出す。

 そのりりも、十月二十五日にこの世を去った。十八歳と六か月、大往生だった。

 樽嬢は、ちょっとりりに似ている。

 だれにでも物おじせず甘えるところ。やたらとベロベロ舐めるところ。

「こいつも、味噌汁一杯分だな。」

 味噌汁頭の先輩にあやかって、元気に長生きしてもらいたいものである。

 

 

 とまあ、いろいろあったのですが。

 今年もサボっていてすみませんでした。

 どうぞ、よいお年を。 

 

 

 おまけ。隠し絵クイズ。この中に猫は何匹いるでしょう?

 

 

 正解は「三匹」でした。アタゴロウもいますよ、グレーのクッションの中に。

 

 

 晩年のりり。二〇二三年元日旦撮影。