女の処世術

 今朝のご飯タイム。
 私の足元で、きちんとお座りしてじっと待っているダメの後ろで、ヨメの奴、横着にも、床に寝そべったまま、ニャーニャー騒いでいる。
 アンタそれ、ちょっと態度デカすぎない?


 でも。
 まあ、そうよね。
 どこのうちの嫁だって、次第にその家に根を下ろし、そこを「自分の家」にしていく。
 そうでなきゃ、やってられない。
 気が付けば、テレビの前に寝っ転がったまま、息子やダンナを顎で使い、麦茶のお代わりを持ってこさせる、かつての「お嫁さん」の貫録あふれる姿が、そこにある。
 それが、世の営みというもの。
 オンナは強いんですもの。


 うちのヨメだって、おそらく、
「あれがおばあちゃんの生きがいなんだから。少しはやらせとかないと、ボケちゃうわ。」
などとのたまいつつ、私におさんどんを押しつけているのに違いない。


 とはいったって。


 お前、それ、いくら何でも早過ぎない?
 アンタがうちにきて、まだ1年と2週間しか経たないんですけど。



(いいの、いいの、嫁の悪口を言うのが、年寄りの生きがいなんだから。
 あたくしは、ご飯が食べられれば、別にどうでもいいわ。)