遠くの親戚より…
予め断っておくが、今日の記事は思い切り脱力系である。
書き始めの今に至っても、何の構想もない。目新しい話もないし、オチもない。
写真も、いかにも変わり映えしない構図である。
正月二日。猫どものやる気のなさが、どうやら人間にも伝染したらしい。
今日は、母と姉が我が家に遊びに来た。
昨日は、私が一日実家に行っている。ということは、人間同士はすでに話すことも尽きているわけで、つまるところ、二人はうちの猫どもに会いに来たのである。
もっと言えば、メインの目的はヨメである。
母も姉もそれぞれ、ヨメとは、ある程度接近しかけたところで止まっている。
母は前回、はじめてヨメをはっきりと目視確認し、ほんのちょっぴりだが、毛皮にも触った。
姉は、私が9月に旅行に行った際、ごはんとトイレの世話がてら、「体操のおねえさん」として散々ヨメと遊んだが、まだ触れたことはない。
二人とも、次なる展開を期待しての来訪であった。
して、結果は…。
期待どおり、とも言えるし、期待はずれ、とも言える。
ありていに言えば、展開はあったがめざましいと言えるほどではなかった。
あらかじめ隣の和室との境のふすまを閉めていたこともあり、ヨメは、一応、目に見えるところには留まった。
いつも自分が寝ている、椅子の下。
人間が集うこたつからは、至近距離と言っていい。
このため、二人とも、それなりにヨメに触ることはできた。
が。
時間帯が早すぎたのか、姉がおもちゃを振り回しても、ヨメは大して乗ってこなかった。
ついでに、ダメも、一応、食いつきはしたがすぐ飽きた。
二匹が二匹とも、客人の相手をするのかしないのか、どうにも、どっちつかずの反応であった。
おかげで、私は写真を取り損ねたってわけ。
ヨメはどうやら、「体操のおねえさん」と魅惑のおもちゃの記憶を失っていたらしい。
まあ、遊んでもらったのはせいぜい3回ほどだし、それも4か月近くも前の話だから、無理もないかもしれないが。
して、ダメは。
こいつは、割と簡単に人を見忘れる奴である。
数年前、私が海外旅行で1週間ほど家を空けた際、母に猫どもの世話を頼んだ。ダメはそのとき母にしっかり懐き、私の帰国直前には、母に擦り寄って甘えていたと聞く。
が、その後、1か月ほど経って、しばらくぶりに母が訪ねてきた時には、
(このヒト、見たことあるけど誰だっけ?)
と、言わんばかりに、中途半端な警戒心を漂わせていた。
忘れっぽいというか、要領が悪いというか。
一度会った人は忘れない、賢いミミさんとは、すでにこの時点で、かなり差がついてしまっている。
まあ、ねえ。
忘れっぽいのは、それはそれで、仕方のないことなのだけれど。
と、一定の理解は示してみたものの。
ところが、ダメの奴。
途中から、急に思い出したことがあったらしい。
思い出さなくてもいいようなこと。
(あ、そうか。この人たちは「お客さん」だ!)
??? まあ、そうだけど?
(じゃあ、ごはんを下さい!!)
…って。
お前さん。
以前、友人達が遊びに来たときに、「お客様サービス」で、時間外にカリカリを出したことが、何度かあったのだ。
これは、あくまでお客様のためのサービスで、ダメの御機嫌をとったわけではなかったのだが。
ダメはそれを、一発で覚えてしまった。
以来、客人があると、こいつは時を構わずメシをねだるようになってしまったのである。
人の顔は覚えないくせに、そういう余計なことはすぐ覚えてしまう辺りが、いかにも猫らしい。
ただし。
今までは、母や姉が訪ねてきても、そういうことはなかった。
おそらく、客とみなされてなかったのである。
それが、今回は、しっかり「お客さん」と認識されたらしい。
でも、それって…。
彼が身内の顔を見忘れたということなのか。
それとも、分かっているけど、その方が都合がいいから「客人」に分類替えしたのか。
ただ一つ言えるのは、二匹とも、母と姉がいなくなったら、緊張の糸が解けたらしい、ということである。
ひとしきり、二匹で走り回った後。
爆睡…。
なお、ダメは、「客人」が帰った後、ぴたりとメシコールをやめ、私の隣のこたつ布団の上におとなしく丸まって寝ていたことを、ここに書き記しておく。