恋の季節

 

 
  
 統一地方選挙後半戦が始まった。
 
 
 静かだった前半戦と打って変わり、朝から、色々な候補者の街宣カーがやってくる。
「お騒がせします」って言っても、うちの猫どもは、無関心だけど。
 むしろ、お騒がせしないスズメさんにばかり反応している。
 
 
 午後、出かける用事があったので、近所の掲示板を眺めてみると、さっそく、ポスターが並んでいた。
 思わず、チェックしてしまう。
 ちゃんと、いらっしゃいました。
 ダメちゃんのマドンナ。
 
 
 ダメちゃんのマドンナは、某女性区議である。
 前回の選挙の際、彼女の街宣カーが来ると、窓辺に駆けより、熱心に耳を傾けていた。
 あれから、4年も経ったんだ…。
 
 
 ダメも歳をとったな、と、思うことがある。
 いやまだ、人間で言えば働き盛りの年齢なんだけど。
 今日のような休日でも、常にウロウロ・ゴソゴソ何かやっていて、ちょっと目を離したら何をしでかしてくれるか、油断のならないヨメとは対照的に、日がな一日、窓ガラスの中の日だまりで昼寝している。
 毎日、私の靴下だのTシャツだのを狩猟してくれていた頃が懐かしい。
 
 
 春だもの。
 ダメちゃんだって、まだまだ若いんだから。
 今日、彼女の街宣カーは来なかったけど、明日からの日々、憧れのマドンナの声が、ダメちゃんのココロに、若々しい炎を灯してくれないだろうか。
 別に靴下を盗んでほしいわけじゃないけれど。
 
 
 残念ながら、明日以降、私は仕事だから、その様子を見ることはできないけどね。
 
 

 

 いや別に、家に上げろとは言ってないから。