ハゲオヤジ・その後

 

  
  
 ダメちゃんの首輪ハゲであるが。
 現在のところ、こんな感じである。
 
 

  
  
 いくらか毛が生えてきているような気もするのだが、まだ予断を許さない状況である。
 正直、先週よりも良くなったんだか、悪くなったんだか、私にもよく分からない。
 ひょっとしたら、このままハゲが残ってしまうのかな?という予感も、ちらちらしている。
 
 
 ハゲの部分だけではない。
 ダメちゃんはここ3週間ほど、首輪をしていないことになるが、今でも後ろから見ると、
 
 

 
 
 首輪の跡がくっきり残っているのだ。
 これはおそらく、首輪をしている猫に共通の現象だろう。
 と、思いたいが…
 
 
 もしかしたら、彼の首の辺りが、一般的な猫よりたるんでいるのかもしれない。
 二重あごとか、首の年輪に近いものだったら嫌だなあ。
 いや、この点は、深く追求しないことにしよう。
 
 
 しかし、そうしてみると。
 彼の健康上に影響がないのであれば、首輪ハゲも、そうそう悪いものではないかもしれない、と、ふと思いついた。
 もともと、私が宅の猫どもに首輪をさせようと思い立ったのは、マイクロチップ装着について、動物病院の先生に相談したときだった。
 もし、飼い猫が迷子になり、戸外を彷徨った末に捕獲されたとしたら。
 汚れ、痩せ、毛ヅヤも悪くなった猫は、そもそも飼い猫かもしれないと思ってもらえないだろう。そうなると、いくらマイクロチップが入っていたとしても、読み取り機(?)にかけてもらえる可能性は低い。
 それならば首輪を…というのが、当初の目的であった。
 つまり、「汚れてますけど、元は飼い猫です。」というアピールのためなのだ。
 ただし、首輪が外れてしまうことも、有り得ないわけではない。
 そんなとき、ひょっとしたら、首輪ハゲがあった方が、「もとは首輪してました。」ということが分かって、飼い猫判定が下される可能性が残るかもしれない、というわけだ。
 
 
 あ、でも。
 この首輪ハゲの特徴は、触ってみないと分からない点にあるのだった。
 うちの連中は、私以外の人間に対して、きわめて非友好的である。
 それこそ、遠目に分かるくらい、徹底的にハゲていないと、やっぱり気付いてもらえないかもしれない。
(だが、あまりハゲていると、こんどは皮膚病と間違われる。)
 
 
 というより。
 ハゲ以前の問題で、人間から逃げ回っている猫は、それだけで飼い猫判定から外されるだろうな。
 やっぱり、ハゲは無駄か…。
 
 

 
  
 だから、その時はすでに痩せちゃってる設定なんだってば。
 
 
 ところで。
「ダメちゃん、ハゲオヤジ化」のニュースは、職場の猫仲間の間に、ちょっとしたセンセーションを巻き起こした。
「でも、首輪って緩すぎると危険なんですよねぇ。」
と、真面目に心配してくれたのは、猫写真マニア兼猫カフェ荒らしのSさん。
 天竜いちごさんは、
「ダメちゃん、ハンサムなのに!」
と、極めて残念そうにフォローを入れてくれたが、その割には、一瞬の躊躇もなく「ハゲオヤジ」という言葉を連発している。
 そして、ヨシハル♀は、悲しげに
「ダメちゃん、デブでハゲになっちゃったんですか?」
と、私に確認してきたので、正確を期すため、
「そう。それで、口も臭いの。」
と、言い添えると、心底嫌そうに、
「イヤぁぁぁぁぁ〜!!!!!」
と、叫び、それきりとなった。
 
 
 嗚呼。
 
 
 諸行無常である。
 往年のイケメンアイドルだって、太ってハゲてしまえば、それまでなのだ。
 おごれるものは久しからず。
 もっとも、「奢る」という言葉ほど、ダメちゃんにそぐわないものもないと思うが。
 
 
 その「奢る」で思い出したのだが。
 そもそも、我が家の猫どもと天竜いちごさんの関わりは、天竜さんが自らの創作漫画の中で猫を描くために、ダメちゃんの写真を参考にしたい、と言ってきたことだった。
 彼女のオリジナル作品に出てくる猫とは、魔王ルシファーの人間界における姿である。
 そして、ルシファーは。
 あろうことか、「傲慢」の悪魔なのだ。
 そもそも、傲慢のモデルがダメちゃんでいいのか?というギモンはあったのだが、そのいちご版ルシファー、美形のオレ様系二枚目であったはずが、このところ、そのキャラが崩壊し、三枚目化の道をひた走っているらしい。(詳しくは、天竜いちごさんのブログを参照。)
http://blogs.yahoo.co.jp/tenryuichigo/folder/165737.html
 その原因は、主に、ヨシハル♀と私にある。(ただしヨシハル♀7割・猫山3割)
 となると。
 天竜さんがハゲオヤジを連発するのも、まあ、お互い様といったところか。
 してみると、この中で最も腹黒いのは、ノーモアハゲオヤジを絶叫した、ヨシハル♀ということになる。
 
 
 仕方ないね、ダメちゃん。
 首輪ハゲはともかく、太ってしまったのは、キミ自身の問題なんだし。
 もう、こうなってしまった以上、キミを愛しているのは、私だけなんだよ。
 
 

 
  
 ああ、そうだっけね。
 アンタの存在、すっかり忘れてたわ。
  
 

 
 
 ダメちゃん…。
 実は、気を遣いすぎてハゲちゃったんだったりして。