我が家に複合機がやって来た

 

  
  
 私は今、今日このブログを書き終えることができるか、危惧している。
 なぜなら。
 腕が激イタイからである。筋肉痛で。
 
 
 我が家には長らく、壊れたプリンターと壊れたFAXが、もっともらしく設置されたまま、埃を被っていた。
 プリンターが壊れたのは、もう相当昔である。何しろ、最初のパソコン(書き込みはFDのみの時代)を購入した際のポイントで買ったもので、パソコンより先に、割とさっさと壊れたのだが、パソコンを買い換えても、プリンターまで手が回っていなかった。
 そして、FAX。
 先に紙送りが壊れ、受信ができない状態になっていたのだが、今から1年近く前になるだろうか。ついに電源が入らない状態となり、サヨナラせざるを得ないことになってしまったわけである。
 
 
 そんなわけで。
 標題のとおり。
 昨日、ついに買ったんですよ、複合機を。
 
 

  
  
 何だって、今ごろ急に、購入する気になったのかというと。
 今、職場の仲間内のちょっとした編集仕事を、ヨシハル♀と一緒にやっていて、
「スキャナはどうするんですか?」
「プリントアウトは?」
と、ヨシハル♀の素朴なギモン攻撃にあっているうちに、面倒くさいから、じぶんちで全部できちゃった方がいいな、と、思い始めたのであった。
 もちろん、それだけではない。
 昨秋のコミティア出展の際、原稿作成に忙しい天竜さんに代わって、展示用の小物や貼り物を私が自宅のPCで作ったのだが、やったことのある人なら分かると思うが、作ったものを自分の手元でプリントアウトできないというのは、非常に不便なのである。
 結局、忙しい天竜さんにメールで送って、彼女の6色プリンターで打ち出したものを持ってきてもらい、組み立ては現場でする、という、面倒なことになってしまった。
 当日、打ち出した紙を見るまで、一抹の不安が残っていたことは、言うまでもない。
 天竜さんは、次回9月のコミティアに出展する際にも、私に手伝えと言っているし。
 そうだ。
 どうせ買うなら、今買えば、今回の用事にも使えるじゃないか。
 じゃあ、さっそく買いに行こう!
 …と、例によって思いつきで行動しちゃったわけ。
 
 
 駅前の家電量販店に立ち寄り、複合機のコーナーを眺めていると。
 すかさず、説明係のお兄さんが寄ってくる。
 こういう大手のお店って凄いな、と思うのは、店員さんの話術が、文句なしに上手なこと。
 私のように、ろくに下調べもせず、思いつきで買いに来ている客は、いいカモである。
「私は自分でいいと思うものしか勧めませんよ。」
と、お兄さん。何事も自信たっぷりに言い切り、こちらが信頼の眼差しを向けると、興が乗ったのか、一番安いプリンターを指して、
「これなんか、1枚印刷するのに1分かかります。こんなの買うんだったら、その分、そこの回転寿司に行って同じ金額食べた方が、よっぽどマシですよ。」
とな。
 なるほど。
 でも、7千円分の回転寿司って。一体、どんだけ食べるんだろう。
 と、いう突っ込みはやめておいて、それでも親切なお兄さんには違いなかったので、最初に紹介された機種を買うことにした。
「配送にしますか?それとも、お持ち帰りになります?」
と、尋ねられ、
「持てる重さですか?歩いて10分くらいですけど。」
と、相談すると、
「8キロくらいだから、途中休憩すれば大丈夫だと思いますよ。ほら。」
と、箱を抱っこさせてくれた。
 まあ、持てない重さじゃないな。
 それよりは、早く到着した方がいいかも(どうせ接続に苦労するに決まってるから。)
 と、お兄さんのワナにはまり、無理やりお持ち帰りをした結果が、この筋肉痛である。
 
 
 お兄さんにはオッケイな重さでも、非力な私には、はっきり言って苦行であった。
 あのときを思い出すなあ。
 駅前の国道を、重い箱を下げてフラフラ歩きながら、デジャヴに浸る。
 あのときも、凄く重かったけど、乱暴に取り扱うわけにもいかず、これは苦行だ、と思ったんだった。
 あのとき、とは。
 ダメちゃんが我が家に来た日である。
 
 
 もちろん、今だったら、ダメちゃん+キャリーケースの重さは、確実にこの箱より重い。
 
 
 そして。
 家に着くころには、もう腕がだるくて、気力も何も萎えていた。
 開梱するエネルギーは、もはや残っていなかったものである。
 結局、複合機くんは段ボールに眠ったまま一夜を明かし、つまり、翌日配送してもらっても、タイミング的には何ら変わりがなかったことになったのであった。
 まあ、強いて言えば、配送料の5百円が節約できたということだろうか。
 
 

  
  
 だから、別に配送料をケチる目的だったわけじゃないんだってば。
  
  
 そして、先ほど、設置と設定がようやく終わりました。
 嬉しいのは、スキャナがあるから、昔の紙焼き写真も、こうして読み込むことができるんですよ。
 
 

 
  
 ジンちゃんです。
 お初にお目にかかります。
 
 
 いつも室内写真ばかりだから、たまには屋外写真を。
(当時は、まだ内外飼いでした。)
 
 

 
 
 本当は、携帯で撮ったジンちゃんの写真も結構あったのだが、ほとんどが消失している。
 私が、携帯を機種変した時に。
 無知な私は、SDカードに書き込む前の、携帯に保存されているデータとは、携帯本体のどこかに書き込まれているものと信じていたのだ。(HDのように)
 それゆえ、もう使わなくなった携帯にデータを残したまま、充電せずに放置した。
 そして。
 すべてが消えた。
 現代人には通常有り得ないミスである。
 
 
 まあ、そんな恥ずかしい過去も、これで水に流すとして…
 
 
 しかし。
 新しい複合機を、もとFAXが置いてあった棚に設置してみて気がついた。
 スキャナの蓋(?)を開ける都合で、上部には空間を残す必要があるわけだが。
 
 

  
  
 この空間。
 この広さ。この高さ。この閉塞感。
「猫様、お座りください。」
と、言わんばかりではないか。
 しかも、FAXつきタイプである以上、常に電源が入っているわけで、多分ここは、ほんのりと温かくなる。
 さらに、埃よけに布をかぶせたので、敷物までご用意しちゃったのだ。 
 
 
 ヤバい。
 ヤバすぎる。
 
 
 実家には、古いミニコンポが、長年サイドボードの上に鎮座ましましている。CDとカセットデッキ、そして、レコードプレーヤー(!)がついた、年代物。
 このコンポの上は、歴代の猫様の御座所であった。
 そして。
 数年前、私が気まぐれにCDを聞こうと思って電源を入れたところ。
 電源は入るのだが、もはや、トレイが出て来なくなっていた。
 長年の猫様の圧力で、すでにどこかが変形していたのである。
 
 

 
 
 そういうことには、できればなってもらいたくない。
 しかも、実家の猫は4キロ代止まりだが、我が家には堂々たるダメちゃんがいるのだ。
 
 

 
 
 ところで。
 家電量販店のお兄さんは、もうひとつワナを仕掛けていた。
「プロバイダを乗り換えれば、1万円引きになりますよ。」
 面倒くさいな、と、内心思ったが、1万円引きの魅力に負けた私。
「送られてくるIDとパスワードを入れるだけですから、簡単ですよ。」
と、新プロバイダの説明役のお兄さんは(こちらも話術が巧みである)、事もなげに言っていたのだが――。
 
 
「8キロなら大丈夫!」
というお兄さんの太鼓判は、私には大変な苦行であった。
 となると。
「乗り換えなんて簡単ですよ!」
という太鼓判も、私には難解至極、ということにならないだろうか。
 何しろ、携帯の機種変の際に、データを全部消してしまった女である。
 しかも、実は私は、前回の乗り換えの際にも、微妙に失敗しているらしい。(ある日突然、メールが送れなくなった。)
 その「IDとパスワード」とやらは、これから1週間以内に届くとのことだが、こんな私に、果たして、つつがなく乗り換えなんて難題がこなせるのだろうか。
 
 
 もし、今後1か月を過ぎても、このブログが更新される気配がなかったとしたら…。
 そのときは、接続ができなかったものと察して、誰か助けに来てください。
 
 
 
 

 あのね。言っとくけど、プレーヤーはキミたちの獲物じゃないんだからね。