もう二十年以上も前になるが、メル・ギブソン主演・監督の「ブレイブハート」という映画を観た。
十三世紀末から十四世紀にかけて、イングランドの苛酷な支配に対抗し、スコットランドの独立を導いた英雄ウィリアム・ウォレスの生涯を描いた映画であるが、何しろ、人権や人道主義と言った概念のなかった時代の話である。痛いとか血が出るとかのシーンが苦手な私にとっては、なかなかに観るのがしんどい三時間であったことを記憶している。
後から調べてみると、はじめから史実よりドラマ性を追求したことをはっきり断った上で制作された作品であったらしい。それゆえ、登場人物の年齢や人物関係などにはそれなりに矛盾があるらしいが、それを差し引いても、歴史絵巻として見ごたえのある作品ではあった。
ウィリアム・ウォレスは、最終的に、仲間の裏切りにあってイングランド側に捕らえられ、「大逆罪」として凄惨な刑死(当時としても最も残酷な刑罰「首吊り・内臓抉り・四つ裂きの刑」だったらしい)を遂げる。もちろん、映画でも、その恐ろしい処刑の場面はあった。
曖昧な記憶であるし、実際の「首吊り・内臓抉り・四つ裂きの刑」とも若干違うようであるが、そのクライマックス、宙吊りにされたウォレスが滑車で四肢を引っ張られて体を引き裂かれそうになりながら、
“Freedom!!”
と、絶叫するシーンは、今でも強く印象に残っている。
そんなウォレスの凄絶な生涯とは、比較するべくもないが、我が家にも、全身でフリーダムを表現し続ける男がいる。
確かにキミらしいけど、変顔になってるよ。
自由に生きる男は、美醜になんか捉われないのである。
勇者の心臓は、自身の全てをさらけ出すことを厭わないのだ。