単なる大猫自慢


 
 
 今日は、朝から文章を考えていたのだが、どうにもまとまりがつかない。
 午前中に書いた分は、気に入らなくて全部消した。
 で。
 
 
 すみません。文章書きは諦めました。
 とりあえず、先週書かなかった、「ヨシハル♀くんの来訪の理由」だけ記しておきます。
 
 
 職場にこの春、定年を迎える方がいまして。
 お祝いに、皆で写真入りのメッセージ集を作ることになったのですわ。
 実は、その先輩も、ご自宅に三匹飼っているという、大の猫好き。毎年、リトルキャッツさんのカレンダーをお買い上げいただいている方でもある。
 なので、私としては、宅の猫と一緒の写真を載せたいと。
 
 
 と、いうわけで。
 ヨシハル♀くんに拙宅に来てもらい、ダメちゃんとのツーショット写真を撮ってもらいました、というわけ。
 どうせなら、ダメちゃんの大きさが良く分かる写真がいい、と、撮ってもらった何枚かのうちの一枚がこれ。
 
 

  
  
 ね、ほら。
 見てのとおり、胴体の長さが同じなの、あたしたち。
 日頃から「ダメちゃんはデカい」と、このブログでも書き続けているが、この写真でご納得いただけたのではないかと思う。
 
 
「ダメちゃん、本当に大きいんですねえ。」
と、しみじみ感心するヨシハル♀くん。
「それに、美形ですね!」
 そのとおり!!ヨシハル♀くん、キミは見る目がある。
「猫山さんちの猫ちゃん、大きいですねえ。」
 これは、メッセージ集の編集に当たっている職場の男性の弁。
 そうそう。もっと言って。
 ダメちゃんのことを「大きい」と言われる度に、私の脳内には、大量の快楽物質が放出されるのだ。
 ああ、大好き。
 私の自慢の大猫ダメちゃん。
 
 

  
  
 ところで。
 先週のヨシハル♀くん来訪の際には、この頃、来客慣れしてきたアタゴロウくんが、押入れから出てきて、おもちゃで遊ぶ姿を見せた。
 野良娘の方は、いつものマットレスの陰に引っ込んだままであったが、隙間から覗きに行ってもそのまま動かなかったので、ヨシハル♀くんは、暗いながらも、その全身像を見ることができた。
 つまり、三匹とも見られたわけ。
 これは、我が家に初登場の人間としては、驚くべき快挙である。
 ちなみに、一週間後の昨日は、こちらは我が家の常連である友人さくらが立ち寄った。その後すぐに二人で出掛けたので、居間には二十分ほども居ただろうか。
 アタゴロウは押入れから出て来なかった。安心して出てくるには時間が足りなかったものと思われる。
 で。
 野良娘の方だが。
「あ、いる。」
 何と。
 こたつの中に留まっていたのである。
「固まってますな。」
 要するに、こたつで寝ていたところを不意打ちされて、逃げ遅れたらしい。そっと布団をめくってみると、こたつの中で前足を踏ん張って仁王立ちのまま、目玉を光らせて固まっていた。
 
 

(体勢としては、こんな感じ。) 
 
 
 そのまま、放置すること暫く。
 私が席を外し、戻ってみると、
「座ったよ。」
 さくらがこたつの中を覗いたら、仁王立ちはやめて普通に蹲っていたという。私もそっと覗いてみたが、暗がりに見える範囲では、こたつの隅っこで箱を作っているように見えた。一見、落ち着いた態度ではある。
 
 

(体勢としては、こんな感じ。)
 
 
 脱出を諦めて、気配を殺す作戦に切り替えたのだろう。
 それにしても、ずいぶん度胸がついたな、と、思った。
  
   
「大きくなったねえ。」
 さくらは、感心したように嘆息する。
「そうだね。チビチビだったのにね。」
 さくらは意味ありげに私の方を見て、予言めいた口調で言い放つ。
「やっぱり、この子、大きくなるんじゃない?」
「・・・・・」
「脚とかしっかりしてるし。」
「——そうかな、やっぱり。」
 だが、私はちょっと複雑な思いなのだ。
 確かに、私は大猫好きだけど。
 でもさ、この子、一応、女の子なんだよ。
 いや、女の子が大きくちゃいけないってことはないんだけど。
 
 
 でもねえ。
 彼女の夫のアタゴロウは、普通サイズなんだよ。
 アタゴロウより玉音の方が大きくなってしまったら、何となく、アタゴロウの立場がないような…。
 

 

玉ちゃんにうつるくらいなら、とっくにキミ自身にうつってます。