お、ねだん以上♪

 

 ご覧のとおりである。

 新しい猫が来た。

 と言っても、来たの一昨日なんですけどね。(笑)

 

 

 まだトライアル中なので、詳細は書かないが、

「茶トラ・男子・二歳」である。

 前職、カフェ猫。

 

 

 玉音がいなくなってから、アタゴロウが暇すぎて、構え構えとうるさい。

 いや、本当に、音声的にうるさくなったのである。突然、お喋り男になり、何かにつけて、声を上げて私を呼ぶようになった。

 玉ちゃんがいたときだって、猫同士はほぼ没交渉だったはずなのだが。

 夫婦とは、不思議なものである。(と、しみじみするところじゃない。)

 

 

 

 

 ま、そんなわけで、次の子を迎えることにしたわけ。

 もともと、「アタゴロウに弟猫を」と思っていたので、その流れで、若めの成猫男子を選択した。

 アタゴロウより、一回り小さめの、大人しい男の子がいいなあ、なんて。

 あまり活発な子だと、アタゴロウもいい歳だから付き合いきれないだろうし、我の強い子とか、体力的に優勢な子だと、アタゴロウが委縮してしまうかもしれない。

 なお、茶トラにしたのは、単純に、これまでの猫と色味が被らないようにしたまでのことである。

 

 

 アタゴロウってば、自分が弟キャラだけど、お兄さんになれるかしら。(うふふ)

 玉音が仔猫でやってきた時はイクメンぶりを発揮していたから、若猫でも、大人しいタイプの子なら、可愛がってくれるかな。

 甲斐甲斐しく面倒見てやったりして。(うふふふふ)

 と、まあ。

 私の中では、「お兄ちゃんアタゴロウと可愛い茶トラ弟猫」妄想が、とどまるところを知らなかったのであった。

 

 

(回想シーン)

 

 連休初日である土曜日の午後に、例によって友人さくらに加勢を頼んでお迎えに行った。

 譲渡後の注意事項を見たら、「卒業後にワクチン」と書いてあったので、どうせなら一度で済まそう、ということになり、そのまま動物病院に直行。

 本当は午後の診療開始一時間前だったのだが、事情を話すと、快く対応してくれた。

 このへんが、町医者のいいところ。

 

 

 で。

 

 

 動物病院に着いて、キャリーを開けると。

「………」

 思わず、絶句。

 

 

(で、デカい…)

 リュックキャリーの容量いっぱいに、茶色の物体がとぐろを巻いていた。

 

 

「じゃ、まず、体重測りましょう。――ハイ、五・二キロですね。」

って、アタゴロウよりデカいじゃん!!

 カフェでは小柄に見えていたのに。(単に空間が広いからであろう。)

 

 

 

 

 いや、ちょっとそんな気はしてたんだ。

 カフェを出発するとき、

「キャリーに入れてお渡ししますね。」

と、満面の笑顔で、蓋が閉まった状態のキャリーを渡されたのだが。

 背負った瞬間に、

(あれ、重くね?)

 いや、きっと気のせいだ。

 

 

 歩いていると。

「おいっ!今このタイミングで、方向転換するな!!」

 まあ、猫の方も、キャリーの中で、なかなかベストポジションが定まらなかったのだろうけれど。

 何か、妙に激しくゆさゆさするな、とは思っていたんだ。

 

 

「いいじゃない、アンタ大猫好きなんだから。」

 さくらにも言われたし、姉にも(LINEで)言われた。

 そ、そうだね。

 まあ、確かに、性格的には大人しそうだし。

 だが。

 私の描いた「アタゴロウと可愛い茶トラ弟猫」妄想は、ここにあえなく瓦解したのであった。

 

 

 現在五・二キロ。

 お家猫になると、多分、太るから、

「六キロ超えるかもよ。」

 さくらさん、それは予言ですか?

 いやまてよ。でも、もしそうだったら。

 彼が六キロ越えの大猫に成長したなら――。

 ダメちゃんの逝去と共に、私が胸の奥に封印した夢。そして幸福の記憶。

 見方を変えれば、これは、思わぬ拾い物だったかもしれない。

(いずれにしても、アタゴロウ氏の許可が下りれば、なのだが。)

 

 

 

 

 それにしても。

 教訓。

 猫をもらうのは、家具を買うのと同じである。

  

 

 

 今、うちのケージはこんな感じ。(二段目の奥の方にひっそりと居ます。)

 昨日まで、完全に布で覆っていたのだが、昨夜までにウンチもオシッコも出、ちゅーるとカリカリも食べ、水も飲んだので、朝からハーフオープンにした。

 まだ基本的に見えないところにいるのだが、私を「ごはん持ってくるおばさん」と認識したようで、逃げなくはなった。彼なりに少しずつ、環境に慣れてきているものと思われる。

 もとより、「数か月ケージから出てこないかも」とまで言われ、トライアルも事実上、無期限なので、まあ好きにしてくれと言ったところである。

 

 

 ところで、この度、新猫を迎えるという展開について、前回、さりげなくヒントを出しておいたのだが、気付いた方はどのくらいいるだろうか。

 最後のケージの写真をよく見てほしい。トイレが設置され、砂が入り(分かり易いように砂袋も置いたのだが)、ジャングルジムに使用していたはずのケージの開口部が、全て閉じられている。なお、最初の「夏休みの宿題」ネタのフリも、その一環である。