愛されぬ理由(わけ)
姉から日々、状況報告のメールが来るのだが。
どうも、雲行きが怪しい。
この2週間で、「ダメは姉の猫になってしまうかも」という予測を、私はしていたわけであるが、どうやら、そういうことには、なりそうもない。
と、いうのは。
ダメの奴、やたらと姉の不興を買い、叱られてばかりいるらしいのである。
留守中の盗み食い2回。
ムムのご飯の横取り。
姉がアイスを食べていれば、怨みがましい目でじっと見つめてウザがられ。
極めつけは、姉が猫トイレの掃除を終えたとたんに駆け込んできて、一発ぶちかます、という荒業さえ、やってのけたもんだ。
これらはいずれも、猫として、特別なことをしているわけではない。そして、姉とて、それはよく分かっているはず、なのだが。
でも、姉が腹を立てる気持ちはよく分かる。私だって、やられたら、悪態の一つもついていただろう。
彼自身には、基本的に、悪意はないのだろうと思う。
…が。
要するに。
とにかく、奴は、ひたすら間の悪い男なのである。
対するヨメであるが。
姉の彼女に対する評価は、うなぎ登りである。
撫でさせた、といっては喜ばれ。
ごはんをきれいに食べた、といっては感心され。
そうして毎日、楽しく遊んでいるらしいのである。
ヨメの方も、毎日がっつり遊んでくれる「体操のお姉さん」が、お気に召したらしい。
ダメの不評判も追い風になり、要領よく高得点をゲットしている様子である。
つまるところ。
ダメちゃんはやはり、あくまでもダメちゃんなのであった。
しかし。
ダメが姉にべったり懐いてしまう可能性は極めて低くなったわけではあるが、だからといって、彼が私を見忘れる可能性がゼロになったわけではない。
でも、そうしたら、救いようがないよね。
ダメすぎる。
あまりにも、ダメすぎる。
まあ、ダメな子ほど可愛い、という考え方もあるが。
しかし、一方で、彼が今までに輪をかけて肥満猫になることは、ほぼ確実な状況なのである。
やっぱり、救いようがないかも。
(写真は、姉曰く「(盗み食いで)さんざんカリカリを食べたにも関わらず、さらにレトルトを貪る」ダメ)