動物病院報告

 

 
 
 以下、とり急ぎ、ご報告をば。
 
 
 今日、ヨメを動物病院に連れて行った。
 キャリーに入れるのに、盛大な猫追物開催も予想されていたのだが、あっさり捕獲。何が何だか分からないうちに入れられちまったヨメは、とりあえずキャリーの中で暴れたので、念のため、キャリーをさらに大きなバッグに入れて運ぶことにした。暑かっただろうけど。
 それで暑かったせい…ではないと思うが、彼女は、以降、動物病院までの道中、最初から最後まで、全部鳴いていた。
 ついでに、帰り道まで鳴いていたので、すれ違ったおじさんに「猫ですか?」と声をかけられることに。(多分、猫好きな人だったのだろう。)
 モノの分かった猫は、帰途は家に戻れると理解して静かになるものだが、こいつは、帰り道もうるさい、というハナシを、以前にも書いたような気がする。
 
 で。
 懸案の予防接種問題。
 実は迷っている、と、先生に打ち明けて相談してみた。
 結論、先生は、打った方がいい、と。
 完全室内飼いといっても、ウイルスを運んでくるのは、実は人間である。予防接種をしてあれば、感染しても軽く済むので、あれ、ちょっと熱っぽいかな?くらいで済む場合が多いが、未接種の場合、いわゆる「猫風邪」が酷くなってしまうケースもままあるそうだ。
「それに、猫は簡単に肺炎になりますからねえ。」
そして、
「2歳じゃ、まだ止める年齢には早いんじゃないかな。」
 やっぱり、そうですか。
 実は、気になっていたことはあったのだ。
 ひとつは、前回も書いたように、将来的には別の猫を我が家に迎えることもあるかもしれない、ということ。
 もうひとつは、姉の意見。
 昨日、姉と食事をしたときに、ワクチン問題を話してみた。そのとき、姉が言ったこと。
「万一、災害があったとき、やっぱり予防接種してないとまずいんじゃないの?」
 確かに…そうだよね。
 ペット連れで避難所に入れたとしても、未接種の子は断られちゃうとか、そうでなくても、他の子からウイルスを貰っちゃう危険が出てくる。
 そんなわけで、例年どおり、ヨメはお注射をしてもらって帰ってきたのだった。
 
 
 ところで。
 動物病院に行った、副次的な目的・その1。
 体重測定。
 何しろ、こいつは暴れるので、自宅では体重を測るのが不可能に近い。
 予想どおり、ヨメは診察台の上で固まった。何の困難もなく、体重測定は行われた。
 4.5kg。
「え、小さい!」
と、思わず叫んでしまった。
 5kg近いとばかり思っていたのに。
「これ以上重かったら、肥満ですよ。」
 不満げな私に、先生がやんわりと釘を刺したりして。
 そして。
 お願いして爪も切ってもらい(副次的な目的・その2)、診察終了。この後、いつもお土産にサンプルのドライフードをいただくのだが、今日は先生が助手さんに、
「減量アシスト持ってきて。」と。
 …え!?
 それって…大治郎くんへのお土産、だよね!?
 と、思ったら、続く先生の一言。
「大治郎くんにあげてもいいし。」
 あげて“も”って…。つまり、やっぱり、基本的にはこいつに下さったものなのかな?
 おそるおそる、訊いてみた。
「この子、太ってますか?」
 先生は、うーん、と唸ったきり、返事が出なかった。
 ギリギリ一線上、くらいのところ、らしい。
 そうか。
 これ以上太ったら、ヤバいのか。
 最近、よく食うと思ったら、ねえ。
 
 
 と。
 間接的にダイエット勧告までいただいたヨメであるが。
 先生曰く、
「今日、いちばん大人しい猫だった。」
 まあ、何しろ固まってましたからね。
 大人しく、されるがままになっていたのがウケたらしい。
 良い子だの、可愛いの、奥床しいのと、先生と助手さんから、お褒めの言葉も色々頂戴したヨメである。
 奥床しい、って?
 お前が、か!?
 いつも思うのだが、どうしてダメよりこいつの方が、一般受けするのだろう。理解に苦しむ。
 全く、外ヅラのいいやつ。
 
 
 そうやって、姑を悪者にしようという魂胆だわね。