金のかかる女

 
 まずは、宣伝から…。
 
 

  
  
 前回予告したとおり、10月30日(日)のコミティアにて、ダメとムムの本がついに発売されます!!
 タイトルは「大治郎君の大猫日誌」。
 作者は天竜いちごさん。一応、ワタクシ猫山が「原作」ということになっています。
 価格はまだ決めてないのですが、200円か300円といったところ。モノクロなので、300円は少々高いかなという気もするのですが、売り上げが増えればその分、リトルキャッツさんへの寄付も増えるわけなので、そのへんを口実に、吹っかけさせてもらっちゃうかも。
 と、いうわけで。
 ダメちゃんファンの皆さま、あるいは、ヨメファンの皆さま。
 よろしければ、是非、東京ビッグサイトまでお越しください。
 今まで創作漫画にご縁のなかった方には、コミティアはちょっと敷居が高く感じられるかもしれませんが、別の見方をすれば、興味のある方にとっては、ちょうどよい機会ではないか、と思います。
 知り合いがいない・お目当ての作品や作家さんがいない、という状況では、コミティアは確かに、すごーく入りにくいのですが、「知り合いが出展している」「とりあえず、買いに行く本がある」となれば、ぐんと入りやすくなるのでは。
 コミケと違ってコスプレの人がいないので、そういう楽しみ方はできませんが、見本誌の試読コーナーもありますし、ディスプレイされたポスターを見て歩くだけでも、結構楽しいですよ。
 なお、もし、当日会場にお越しになれない方で、でも本は欲しい!という方がいらっしゃいましたら(いるのかな…)、mifuyu-daijirou@mail.goo.ne.jpまで、ご連絡ください。
 
 
 会場の案内図です。
 出展サークル向けに送られてきたものなので、一般の方には関係ないことも書いてありますが、だいたいこのへんにいる、というイメージだけ見てください。
 
 

 
 
 出展ブースは「K−21b」。
 赤枠の中を拡大すると、こんな感じ。
 
 

 
 
 なお、一般の方の入場は11時からです。
 入場の際には、カタログ(ティアズマガジン)をご購入いただき、それがいわば入場券になります。カタログを見せながら入ります。
 カタログ代=入場料がかかってしまうので、心苦しいところですが、是非、お越しいただければ幸いです。何しろ、誰も来ないと淋しいので。
 
 
 と、いうわけで、CMタイム終わり。本編に入ります。
 
 
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 先日のダメちゃん7kgショックから、ようやく立ち直りつつある家主。
 肝心の本猫の方は、最初から何も考えていないので、我が家は何事もなかったように、今までどおりの生活が続いている。
 が。
 これぞ世の常。巷によくある話。
 ダイエットすべき者は一向に気にする様子がないのに、たいして太っていない奴が、何故かダイエットしたがっているらしい。
 嫌味なのか。
 それとも、単に、切ない乙女心の為せるわざなのか…。
 
 
 先月、ヨメを予防接種に連れて行ったとき、動物病院でお土産にくれた、ユーカヌバの「減量アシスト」。
 サンプルにしては、妙にいっぱい入っているな、と、うっすらとは思ったのだった。
 そのとき、気が付くべきだったのだ。
 うまい話には、ウラがある。
 食べつけたメシは、うまくなる。
 粒が細かくて食べにくそうに見えたのは、最初のうち。
 しばらく食べ続けているうちに、ヨメのやつ、「減量アシスト」が、すっかりお気に入りになってしまったのだった。
 
 
 なら、次にダメの予防接種で同じものをもらったら、ヨメに横流ししよう。
 という目論見がもろくも崩れ去ったことは、前回述べた。
 
 
 まあ、ヨメだって、そろそろ体重に気をつけなければならなくなったようだし。
 そんなに気に入っているのなら、買ってやろう。
 現在、ヨメの常食は、ロイカナの「フィーメールケア」である。もともとは、実家のりりが食べ始め(これもまた、動物病院でもらったサンプルを食べさせたら、家族の悩みの種であった便臭が激減したので、母のたっての希望で常食となったのである)、対抗してミミさんにもお出しするようになった、その流れである。
 こういっちゃナンだが、ロイカナは高い。
 もともと高いメシを喰わせている、という自負があったので、他のメーカーのものを要求されても「あら、それでいいの?」くらいの感覚であった。
 私は、ユーカヌバを購入したことがなかったのだ。
 
 
 で。
 いつもドライフードを購入している通販サイトで、探してみた。
 
 
 げげげっ!!
 た、高い…
 ダメちゃんの「満腹感サポート」よりも、お高いじゃないか。
 高級御飯だったのだ。
 
 
 お前…
 夫より高いメシを要求するとは何ごとだ!
 
 

  
 ていうか、家長は私だ。
 
 
 どうしよう。
 でも、買ってやるって、約束しちゃったしな。
 それにヨメの奴、このごろ、「フィーメールケア」を出すと、「あっちが欲しい」と、真顔で要求してくるのだ。
 カラダに悪いわけじゃないし。
 そもそも、獣医さんに勧められたものだし。(単に余っていただけかもしれないが)
 あああ。
 やっぱり…
 
 
 泣きながら、「カートに入れる」をクリックした。
 
 
 雑巾猫のくせに。
 何て金のかかる女なんだ。
 と、ヨメに腹を立てるより…、
 
 
 気前のいい大袋のサンプルにほくほくして、メーカーの作戦にうまうまと引っ掛かった、自分が情けないのであった。
 
 
 と。
 この話には、そこで終わるはずであった。
 が、ケチのつきはじめた話には、最後までケチがつくらしい。
 
 
 私は通常、ネットで買い物をしたときには、「不在時宅配ボックス指定」にしている。
 そうでないと、週末以外、受け取れる日がないからだ。
 注文したのは、火曜日であった。
 しかし、待てど暮らせど、不在票が入らない。
 そうこうしているうちに、週末も越してしまった。
 サンプルでもらった「減量アシスト」は、最後の方は少しずつにして、購入分が届くころにちょうどなくなるよう、調整していたのだが、そんなわけで、到着より何日も前に終わってしまい、ヨメは元どおり、フィーメールケアの生活に戻っていた。
 9日経った段階で、さすがにおかしいと思い、ちょうど管理人さんに会えたので、かねてから怪しんでいた宅配ボックスを開けてもらった。そうしたら、何のことはない、既にちゃんと届いていたのである。
 チラシに混じって、どこかに行ってしまったのか、私が誤って捨てたのか。
 不在票が紛失していたのだった。
 
 
 そんな紆余曲折を経て、我が家に到着した「減量アシスト」。
「ムムちゃん、お待たせ!」
 この頃、すっかりヨメに甘くなった姑は、喜び勇んで、ヨメのカリカリの「お代わり」に、それを入れてやったのだった。
 …が。
 ヨメは極めて無感動に、皿の中の粒を食べた。
 彼女の中で、ブームは既に終わっていたのである。
 別に、キライになったわけではない。はぐはぐと、熱心に食べてはいるのだが、「おいしいおいしい!!」というあのトキメキは、もはや感じられない。
 それに。
 やっぱり、小さな粒は、今一つ食べにくそうなのであった。
 
 
 ま…
 仕方ないわね、何しろ猫だから。
 猫は貴族だ、という人がいるが、貴族かどうかは別として、少なくとも、奴らが特権階級であることには、疑いの余地がない。
 猫だから、の一言で、全てが無罪放免になるのである。
 被害者はただ、泣き寝入りするしかないのだ。
 
 
 ああ…。
 家主は細々と納豆ごはんを食べているのに。
  
  

 
 そうともさ。金のかからないダイエットをね。
 アンタと違って、安い女なんですよ、アタシは。
 フン。