とりあえず…

 

 
 書きたいことは色々あるのだが、先週、残業続きだったためか、今週末は、土日とも大寝坊プラスうたた寝連発。従って時間が足りない。なので簡単に経過のみを。

 

 

 前回のブログを更新した後、猫カフェさんにメールを送った。

 実は、ブログを書いているうちに心が決まるのではないかと思いながら書いていたのだが、書き終わったとき、果たして、私の中で下された結論は「決められない」であった。

 仕方がないので、正直に書き送った。

 茶トラくん自身は、順調に我が家の環境に慣れてきている。アタゴロウとの関係は進展がなく、今後、これ以上仲良くなるのかは分からない。トライアルとして続ける意味はないかもしれないけれど、私の気持ちとして踏ん切りがつかないので、もう少し、トライアル期間を延長させてほしい。

 理由になっていないな、と、自分でも思ったのだが、意外なほど快く承諾していただけた。切りのいいようにと、また一か月延長となった。

 猫同士の仲についても、一か月や二か月、距離が縮まらないということは、ザラにあると言ってくださった。卒業後、半年以上経ってから、ある日突然仲良くなったケースもあるという。

 つまり、猫カフェさん側にとっても、これは想定内の事態だったということだろうか。

いずれにしても、ご迷惑をおかけしているわけではないようなので、少しほっとした。

 と、いうわけで、状況は変わらず。茶トラくんは、未だトライアル継続中である。

 

 

 ただし、ケージ引きこもり生活からは、ほぼ完全に足を洗った。

 相変わらず、ケージを拠点にしているが、こもりきりではない。けっこう気軽に出入りしている。また、寝場所も、ケージの「上」であって「中」ではない。

 これには、実は、私の強制力が働いてしまっている。(そんなつもりはなかったのだけれど。)

 十一月も半ばを過ぎた頃に、肌寒い日が何日か続いた。人間は、掛け布団を替えたりして凌いだのだが、九月から同じクッションの上で寝ている茶トラくんは、今のままでは寒いのではないかと、余計な気を起こした。

 具体的には、ケージの三階にあったクッションを、先日、先輩からいただいた猫ベッドに交換したのである。そのベッドはふっくらとボリュームがあるし、潜り込める形状でもあるので、寒さを凌ぐにはその方が良いと思ったのだ。

 ついでに、撤去したクッションを、敷物のない屋上に移設した。

 そうしたら。

 まあ、予想どおりと言えば予想どおりである。茶トラくんは、三階のベッドで寝ないで、屋上のクッションで寝るようになった。

 しかも、である。

 寝ないだけではない。三階を通ることさえしなくなった。

 どうやら、ふっくらとしたベッドを置いたことで、三階の足場が悪くなったらしいのだ。茶トラくんは、一切、三階に足を踏み入れなくなった。ケージの屋上から下へ降りるときは、まず四階に降り立ち、そこから先は、ケージの中を通らず、四階の窓からキャットタワーに飛び移り、ステップを伝って床に降り立つ。これが通常ルートとなった結果、彼がケージの「中」に滞在する時間は激減したのである。

 普段の生活の中で、長く留まる(つまり、寝る)のは、ケージの上かキャットタワーのボックスの中。そのほかは、キャットタワーのステップか、ケージの二階辺りに座っていることが多い。

 ついでに、メインの食事場所は、キャットタワーのステップの上になった。

 トイレだけは相変わらず、ケージの中のものを使っている。たまにアタゴロウも、砂の上に座っているが。

 

 

 

  

 茶トラくんはどうやら、食事の後に散歩をすることにしたようである。

 ご飯が終わると、まずはケージの屋上に上がって、顔を洗いつつ一休みする。食休みが済んでしばらくすると、おもむろに床に降りてくる。

 キャットタワーの周辺を少しうろうろすると、こんどはまっすぐに、家の北側を目指す。ただし、リビングの扉は閉めてあるので、彼の行き先は、台所と洗面所、そして風呂場である。

 キャットタワーにもケージにも姿が見えないな、と思って探すと、風呂場のタイルの上にじっと座っていたりする。(お腹が冷えないのだろうか。)

 朝、私が台所でお弁当を詰めていると、いつの間にか、背後で茶トラくんが、床に置いた鞄の匂いを嗅いでいたりして、振り返ってびっくりすることもある。

 彼は私を恐れていないので、こうしたとき、私が声をかけたり、急に近くを通ったりしても、全く動じない。だが、怖がったり嫌がったりしない代わりに、喜びもしない。どうやら、こういうとき、私はいてもいなくてもあまり関係ないらしいのである。

 昨日、夕方帰宅して、薄暗い中をリビングの扉を開けて中に入った。そのとたん、扉の近くを歩いていた茶トラくんにぶつかりそうになり、思わず声が出た。

「うわっ!ああびっくりした。」

 茶トラくんは、立ち止まって私を見上げると、黙って踵を返し、ケージへと歩み去った。

 お出迎えに来てくれたのかしら?と、ぬか喜びしそうになったが、理性が即座に否定した。私を見上げた彼の眼は、無感動というより、むしろ迷惑そうであったからである。

 恐れられていないのは大変結構なことなのだが、ここまで淡々としているのもいかがなものか。

 ツンデレでさえない。ツンもデレも、どちらもないのである。

 

 

 

 

 先日、茶トラくんがアタゴロウに物申しているのを見た。

 基本的に、彼の方から喧嘩を売るようなことはなく、アタゴロウの方が彼に物言いをつけるのだが、その時に限っては、茶トラくんも黙ってはいられなかったらしい。

 アタゴロウが、茶トラくんのご飯を食べていたのである。

 いや、そのこと自体は日常茶飯事なのだが、このときはたまたま、茶トラくん自身も、残しておいたご飯を食べようと思い立った。小腹が空いて、さて、と、ケージの四階からキャットタワーに飛び移ってみたら、先客がいたわけ。

 茶トラくんが抗議の声を上げ、アタゴロウがちょっと言い返し、ほんの一瞬、小競り合いがあった後に、アタゴロウが立ち去って悶着は終わった。

 その後、茶トラくんは皿に顔を突っ込んでいたので、どうやらご飯は残っていたらしい。

 アタゴロウがそれ以上食べたがる様子もなかったし、この喧嘩が茶トラくんの勝ちだったとは思わないが、茶トラくんも強くなったな、と思った一件であった。

 

 

 とは言っても。

 これをきっかけに、二匹の関係に変化が生じた…などということはない。

 相変わらず、一メートル足らずの距離感で見つめ合いつつ、それ以上近寄ると、フーシャー言いながら避け合う、良く分からない男子同士なのである。