疑惑の爪痕

 昨日、寝ていたら、私の足の人差し指に、思い切り爪をぶっ刺した奴がいる。
 ベテラン刑事が長年の勘でクサイと睨んだ容疑者は、「ぼくは爪を切られている」と主張しているが、調べてみると、前足の爪が一本、伸びて尖っていた。
 が、決め手がないので、現在のところ、奴のことは泳がせてある。


 もう一方の容疑者は、日頃から爪を切られることを拒否しているため、伸ばしっぱなしの尖りっぱなしになっている。しかも、怨恨のセンで、動機もある。
 それゆえ、捜査本部は、こちらを本命と見ているのであるが、刑事の勘は、奴が真犯人だと告げている…。


 どうでもいいけど、歩くと足が痛いんですけど。