忘年会の驚愕




 生まれて初めて、ビンゴで高額商品を当てたっ!! 
 
 ラッキー!!!
 
 
 と、ここは言うべきなのであろうが…。
 
 
 何しろ、子どもの時から、くじでもビンゴでも懸賞でも「当たり」を引いたためしがなく、こういった事態に慣れていないもので。
 その瞬間から、ヨロコビよりも、
(何かが間違っている…)
という、戸惑いの方が、強かったわけですよ。
 その戸惑いが、暗雲となって刻々と広がってゆき、宴会が終わるころには、何だか人生が変わってしまったような不安なキモチに。
 しかも。
 このビンゴ、景品の決め方が「ビンゴで上がった人から順にくじを引く」という方式でして、実は、私は、景品ありラインの最後の二人のうちの一人。同時に上がったもう一人の男性が、
「お先にどうぞ。」
と、譲ってくれたので、先にくじをひいたら、50%の確率で、当たりをひいてしまったわけ。
 最後に残った、その男性の景品は「500mlステンレスボトル」。
 何だか、申し訳ない気持ちでいっぱいで…・
 
 
 そんなわけで、最終的には、
(この幸運をそのまま享受したら、次は何か悪いことが起こるのではないか。)
という、迷信めいた恐れにまで至ってしまったわけ。
 
 
 で。
 帰りのバスの中で思い付いて、たまたま今、手を怪我して家事困難に陥っている知人にメールし、無事、お引き取りのご承諾をいただきました。
 
 
 ああ、よかった。
 これで安心して年が越せる。
 
 
 我ながら、何という悲しき貧乏性。
 
 
 でもね。私のモットーは、「残り物には福がある」だから。
 誰も顧みようともしない、忘れ去られたような残り物をいただいた方が、私にとっては、幸せに繋がるんですよ、景品も、猫も。
 そうやって、私はダメちゃんに出会ったんだから。
 ねっ、ダメちゃん。