綺麗な薔薇には棘がある

 猫どもの夕飯時のこと。
 床に座ってダメちゃんの食事に付き合っていた私のところに、すでに食べ終えていたヨメが近寄ってきた。
 そして、何を考えたのか、床に投げ出した私の足首に、おもむろに両手を乗せてみたものである。
 あまつさえ、こいつ、ゴロゴロとかすかに喉を鳴らしているではないか。
 これは…


 和平交渉の申し入れ、と、受け止めていいものであろうか。
 

 そう思うと、心なしかヨメの表情が愛らしく見えてきたりして…。


 しかしながら。


 キミ、その前に、その爪を切らせてチョーダイよ。
 チクチク痛くて敵わんわ。


 それとも、それ、新手の嫌がらせかい?


(もちろんですとも。
 まだまだ甘いわね、お義母様。)



誰がキレイなバラだって!?