オトメではありません

 
 昨日に引き続き、リボンの話題。


 今度は、ヨメにリボンをつけてみた。
 今日の午前中の話である。



 結ぶ時は、意外と抵抗なし。
 何をされているのか、その場では分からなかったのであろう。
 そして、結んで見ると、結構、可愛い。
 やっぱり、曲がりなりにも女の子だものね。
 リボン結びが、それなりに似合う。


 あ、でもムムちゃん、こっち向かなくていいから。
 キミは後ろ姿の方が美猫だからね。


 が。
 平和はそこまでだった。
“何かかヘンなことをされた”と気付いてしまったヨメ。もがきにもがいて、首周りの異物を取り去ろうと、ひとり格闘を始めたものである。


 やっぱりね。


 となると。


 やっぱり、このままにして、慣れてもらわなきゃ。
 と、いかにヨメが暴れようと、ひたすら無視する家主。


 そして。


 しばらくすると、騒ぎは治まり、ヨメはいつもの場所で昼寝を始めた。
 ま、慣れれば大丈夫ってことか。
 と、胸を撫で下ろし、ついでにヨメの背中を軽くなでてやると…


 ない!!!


 そう、ヨメは勝ったのだ。
 よく見ると、部屋の片隅に、ほどけたリボンが落ちていた。


 そういうわけで。
 ヨメのリボンは、乙女ちっくなリボン結びから、ガチガチの固結びに変更。
 可愛さ半減。


 そんな家主の逆襲に、ヨメは俄然、反撃に転じた。
 まずは、再びリボンをほどこうと、顎の下のリボンを舐めまくる。
 思い切り顎を引き、これでもかと舌を伸ばしたその形相は、さながら般若のそれであった。
(猫って、なぜかこういう時、目をカッと見開くのよね。)


 ほどけないことが分かると、次は、ループから首を引き抜こうとするのか、転がり、身をよじりつつの弾丸ダッシュの嵐が勃発。
 たまたま進路上にいたダメにそのまま突進し、驚いたダメに振り払われそうになって、あわや戦闘開始という騒ぎまで巻き起こしつつ、ヨメの猛攻は続いた。
 が。
 今度は、そう簡単に取れないもんね。


 やがて、疲れたのか諦めたのか、ヨメの大暴れは散発的となった。
 静かになったかな、と思うと、また思い出したように暴れ始める。
 そして。


 ふと気付くと、ヨメは、私と目が合ったときのみ、暴れているのであった。
 自力での脱出の努力は、さっさとやめたらしい。
 あっぱれ、合理主義である。


 そして、今。
 ヨメは固結びのリボンをつけたまま、長くなって眠りこけている。


 やれやれ。
 今日も一日、お疲れさまでした。