賢者の扉
我が家の、リビングと玄関の間の扉。
我が家はこの扉を境に、南側と北側に分かれている。リビングや私の寝室、水回りなどは全て南側にある。基本的には、この扉は開放してあるのだが、暖房効率の問題があるため、冬場については閉めておく場合も多い。
猫たちはもちろん、南北両側を行き来したがる。
このため、扉を完全には閉じず、写真のように、押したり引いたりすれば簡単に開けられるようにしておくのだが…。
ダメは、普通に扉を開けて出入りしている。
扉は南側に向かって開く。写真がブレブレで恐縮だが、このため、彼は、南側から北側に行くときは、前足を扉の隙間に差し込み、扉を引っ張って開ける。
そして、北側から南側に戻ってくるときは、頭で扉を押して、難なく通過するのである。
これって、猫として普通のレベルだと思うのだが…。
ところが、ヨメは、この動作の後半部分が、できないのである。
南側から北側に出るときは、ダメと同じように、隙間に手を入れて引っ張って開ける。
が、北側から南側に入るとき、「ただ押せば開く」ということに、どうあっても気付かないらしい。
何とかして、南側に入りたいヨメ。
扉の隙間から前足を突っ込んで、必死になって扉を何とかしようともがく。
一度などは、北側から一生懸命扉を引っ張って、結果的に扉を閉めている(そして、自分の前足を扉に挟んでいる)という、面白い光景を目にしたこともある。
今回は、もがいているうちに扉が押されて開き、最終的に、ヨメは自力で入ってくることができたのだが。
しかし、この一件によって、彼女が北側からの扉の開け方を学んだかどうかは、甚だ疑問である。
普通に考えれば、「前足で引っ張る」より「頭で押して開ける」の方が、ずっとカンタンだと思うのだけれど。
サビ猫は、賢いんじゃなかったのか!?
それとも、これが「理に走り才に溺れる」ということなのだろうか。
(それほどの才じゃないと思うが。)
ともあれ。
ヨメには、小手先の技ばかり使わず、体当たりで事に臨む生き方を、身につけてもらいたいものである。