可愛いお嫁さん・その2

 
 昨日は風邪を理由に寝まくった家主であるが。
 おかげさまで、本日は快調である。
 祝・完全復活。
 
 

 
 
 ホントよねえ。
 一体、何だったのかしら。
 ホホホホ。


 というわけで、本日はちょっとシアワセな話。


 ヨメと一緒にお風呂に入った。
 というだけなら、別に、珍しい話ではない。
 だが、今日はいつもより、ちょっとばかり嬉しいバスタイムであった。
 ヨメとお風呂で「まったり」したのだ。


 ヨメが我が家に来る前、私は猫と一緒にお風呂に入ったことがなかった。
 しかし、友人たちから、「猫と一緒にお風呂に入る」シアワセな話は聞いていた。
「一緒に入るって、どうやって?」
 まさか、湯船にドボン、ではあるまい。
「自分がお風呂に浸かっている間、猫は蓋の上にいるのよ。」
 なるほど。
 絵に描いたような光景である。
 やってみたい。
 でも、こればかりは、猫の方がその気になってくれなければ、実現しない夢であった。


 ヨメがお風呂に来るようになって、これは、と、思ったのだが。
 ところがこのヨメ、私が洗い場で体を洗っている間は、風呂蓋の上で寛いでいるのだが、私が湯船に体を沈めると、さっさと風呂場から出て行ってしまう。
 あるいは、洗い場に飛び降りて、探検を始める。
 とにかく、私がまったりしようとすると、こいつは寛ぐのをやめてしまうのだ。
 全くもって、期待はずれ。
 まあ、そのおかげで、湯船でうたた寝を始めたところを、何度も起こしてもらったのだが。


 と、今までは、必ずそういう展開だったのだが。
 今日は、私がお湯に入っても、彼女は動かずに風呂蓋の上に座っていた。
 さらに、しばらくすると、そのまま姿勢を崩して、風呂蓋の上に寝そべったものである。


 おおお〜!!
 これぞ、夢に見た、「猫と一緒にお風呂に入るの図」。
 素晴らしい。


 うーむ、愛い奴。


 そういうことをしてくれると、人間の感覚なんていい加減なもので、ヨメが可愛く見えてくる。
 お前、結構、可愛い顔してるじゃない。
「ムムちゃんは、美少女だよ。」
と、例の友人は言い切る。
 美少女…は、どうだろう? と、思ったのだが。
 考えれば、その友人は、文章も絵も上手い。インテリアも上手だし、買い物でも、私より数段おしゃれな物を見つけてくる。
 つまり、私よりよっぽど的確な美的センスの持ち主なのだ。
 そういう人の言うことを、信用しない方が愚かしいのかもしれない。


 風呂蓋の上で寝られただけで、すっかり弱腰になる姑であった。
 

 でも、ま、いいか。
 いいじゃないの、シアワセならば。
 
 
 何もかも、賢しいヨメの思うツボ。