乱世の予感

 
 実は。
 7月4日から、2週間ほど、出張に出ることになっている。
 が。
 ちっとも、支度してにゃい。
 いやー、我ながら困ったもんだ、と、思っていたら、昨日、天竜さんにコワい顔で釘をさされた。
「行く前に、ブログ更新してって下さいねっ!!!」
 あわわわわわ。
 天竜さん自身は、先日、新作の絵をアップして、しっかり自分のブログを更新している、らしい(見てない)ので、グータラ先輩には、返す言葉がない。
 と、いうわけで。
 これ以上、天竜さんに怒られないよう、こうして更新の実績だけは作っておく。
 選挙が近付いてくると、急に、ちょっと関心を引きそうな(でも、基本的に当たり障りのない)問題について自ら質問に立つ、居眠り代議士みたいなものである。(今どき、そんな人いないかな…)
 
 
 なお、留守中の猫どもの面倒は、姉が見てくれることになっている。
「猫たちのことは心配しないで、行ってらっしゃい。」
と、姉は優しく言ってくれたが、その後には、こんな但し書きがついていた。
「まあ、多少、太ったり痩せたりはするかもしれないけど。」
 
 
それって…。
つまり、ダメが太って、ヨメが痩せるって、ことだよね。
 
 
 一泊旅行などで家を空ける際、ドライフードを皿にてんこ盛りにして出かけると、ダメは、私が家を出るまでずっと、皿に顔を突っ込んで、ひたすら食べ続けている。(当然、お見送りなどしない。)
 多めに出していくと、帰ってきた時、多少残っていることもあるので、完全にエンドレスというわけでもなさそうだが、印象としては、どうやらそれに近いものを感じる。
 今回の私の留守中、さすがに、姉の訪問は一日一回となる。
 となると、一食はその場で食べさせて、あと一食分は、ドライフードを皿に出しっぱなしにして帰ってもらうことになるのだが、いつもの調子だと、ダメは姉が出していったドライフードを、2週間、毎日毎日、ま〜いんち、イヤになるまでひとり食べ続けることになる。
 もちろん、ヨメとて、ダメに遠慮しているわけでも、怖れているわけでもない。
 が。
 あの鬼気迫る喰い物への執念に打ち勝てるとは、とうてい思えないのだ。
 というより。
 私がヨメだったら、あれを見ているだけで、ゲンナリして介入する意欲を失うであろう、と、思う。
  
  
 ついでに言えば。
 もう一つの問題は、2週間も姿を見せないと、猫どもが私を忘れる(もしくは、見切りをつける)のではないか、という懸念である。
 地球上に、知己と呼べる人間が私しかいないヨメはまだともかく、ダメの方は、実は結構簡単に、人を見忘れるヤツである。
 数年前、海外旅行で1週間ほど家を空けた時には、さすがに私を忘れることはなかったが、その1週間、毎日世話をしてくれた(そして、最後の方は、擦り寄って甘えていた)母を、その1ヶ月後には、すでに完全に見忘れていた、という実績がある。
 しかも。
 ダイエットに厳しい私と違い、今回、姉は(結果的に言えば)、ごはんをたっぷり出してくれる、気前のいい優しいヒトである。
 帰宅した時、ダメはすでに、事実上、姉の猫になっているのではあるまいか。
 
 
 もし、仮に、そういうことが起こっていたとしたら。
 その暁には、このブログのタイトルも、「ムム嬢の陸上部的生活(付:ダメちゃんのムコ猫的生活)」に、変更しようと思う。
 大治郎氏は主役の座を奪われ、更に、ムコの地位に転落するのだ。
 
 
 権力者不在の世を、乱世と呼ぶ。
 戦乱の世、下剋上など、報ずるにも値せぬ、日常の瑣事に過ぎないのである。