家主が会社に行かない…

 

 
  
 今日は会社を休んだ。
 急な休みの場合、普通なら職場に電話した後、再び布団に潜って寝続けるのだが、今日はあいにく、ゴミ出しの日である。
 パジャマのままゴミ出しに行くわけにもいかず、仕方なく、部屋着に着替えて、ゴミを出しに行き、その後、朝ごはん。
 比較的元気だったこともあり、一応、一汁一菜(といっても納豆だが)を整え、食卓についていると、ダメがじっとこちらを見ている。
 
 

  
  
 明らかに、不審そうな眼差し。
 そんなに、私に出て行ってもらいたかったのか。
 
 
 アタシが出掛けた後、アンタ、一体何するつもりだったワケ?
 
 

  
  
 ああそうかい。心配かけてごめんよ。
 でも、万一クビになったら、キミを養ってあげる余裕なんかないからね。
 自分の食い扶持は、自分で稼いでもらうよ。
 
 

 
  
 そして。
 朝食後は、再びパジャマに着替え、布団に入って一眠り。
 午後遅く、目が覚めて、今度は昼ごはんを食べていると。
 
 

 

 

 
   
 いや、よく聞こえているとも。
 どうもこいつは、「家主が寝て起きると、次は自分のご飯の時間」という、間違ったメシ時のパターン認識をしているらしく、私が昼間寝込むと、毎度こうした行動に出る。
 それより、少しは家主の健康を気遣う態度を見せるべきではないだろうか。
  
  

  
  
 だから、というわけではないが。
 もちろん、私は、大騒ぎする彼を、夕食時まで正しく無視したのであった。
 
 
 ちなみに、この時私が食べていたのは「セロリのスティックサラダ」(単にセロリを切って味噌とマヨネーズをつけて食べるだけ)である。
 これをもし、私が「あげる」といったら、彼は食べたのだろうか。
 
 
 
  
  
 ケチなのは否定しないが、無視する方がしんどいということは、猫飼いなら誰でも知っている事実であろう。