新猫vs地球防衛隊OB
そして今。
我が家で何が起こっているのか。
それは、次の写真を見れば、明らかであろう。
撮影時刻は、本日の15時31分。
新猫登場からわずか17時間で、ダメの大好きなビーズクッションは、すでに新猫に占拠されていたのである。
鉄壁の守りを誇っていたはずの地球防衛隊に、一体、何が起こったのか…。
話は、前夜へと遡る。
新猫の登場は、昨夜22時前後。
ヒゲクマさんに連れられてやってきたチビは、心なしか、2週間前より体つきがしっかりしたように見えた。
体つきだけでなく、態度も。
用心して隠れるどころか、物怖じのカケラもない。
マイペースなところはそのまま、ということか。いいんだか、悪いんだか。
そして。
「この子は、他の猫、好きですよ。」
ヒゲクマさんがおっしゃったように、自分の6倍以上あるダメにも、まさに正面から向かっていく奴であった。(ちなみに、ヨメの場合は、横から近寄って行って、ダメの胸元を通過するという接近法だった。)
して、ダメの方は。
お約束どおり、ウーシャーである。
彼の猫生、三度目のお怒りモードに突入したのであった。
だが、チビの方は全く意に介さず。
そう。私は凄いものを見たのだ。今日になってからであるが。
ダメちゃんの猫パンチ。
ついに、ダメちゃんが、遊びではなく、怒りに任せて他者に手を上げた。とっさのことで、写真がとれなかったのが残念である。もしかしたら、一生に一度しか見られない超レアな光景だったかもしれないのに。
その、ダメちゃんの怒り。
ヨメ登場の時より「シャー」が減り、その分、唸りにドスが効いているような気がする。
それより、何より、彼が変わったと思った点。
ヨメのときには、それこそ寝食を忘れて闖入者を監視し、唸ったりシャーを言ったりしていた彼が、今回は、唸りつつも、ごはんはしっかり食べているのだ。
地球の防衛より、自分のごはんが大切になったらしい。
そんな彼に、防衛隊長の職務が務まるわけもない。彼も引き際を心得ていた。
そう、多分。
歳を重ねて、彼も学んだのであろう。「それはそれ、これはこれ」ということを。
人も猫も、歳とともに、得るものもある。失うものもある。
何かしみじみとした感慨を覚えながらも、唸りながら自分のごはんを平らげ、ついでにチビの残りもしっかり頂戴した彼に、つい、オヤジのしたたかさを見てしまった私である。
そして話は、例の写真から2時間前の出来事へと移る。
午前中は、動物病院から帰ってきて、緊張のあまり疲れたのか(目視できるほどブルブル震えてました)、猫ベッドに潜りっぱなしだったチビ。
その後、私は寒くないけど、まあ風邪っぴきのガキもいることだし…と思って、ヒーターのスイッチを入れたところ、
風邪っぴきのガキは、ヒーターから離れなくなったものである。
ただし、見て分かるとおり、このヒーターはある程度の高さより下は暖かくない。
その点、ダメがお気に入りのビーズクッションは、高さもちょうどいいし、ヒーターの正面で特等席である。
彼はその特等席に座ってくつろいでいたわけだが、その快適そうな様子に、風邪っぴきのガキが目を付けた。
ところが…
迫力の「シャー」を放った直後、彼は自ら、江戸城を無血開城してしまったのである。
チビの狙いは、おいちゃんと仲良くすることにあったのか。それとも、快適なクッションを占拠することにあったのか。
いずれにしても、共存という選択肢は、ダメにとって屈辱以外の何物でもなかったらしい。
ともあれ、チビはそのままクッションの上に居座り、以降、我が物顔でそこに寝るようになってしまったのであった。
ああ。
コドモは残酷だ。
そして、流浪の民はどこへ行ったのか。
実は、報告しそびれていたのだが、我が家にはもう一つ、ビーズクッションがある。
最初に買ったビーズクッションをダメに乗っ取られた私は、たまたま楽天のタイムセールで見つけた、一回り大きいブツを、自分用に購入していたのであった。
やっぱり、大きいのは快適だ。
先日のクリスマスパーティの際に、この上に座った友人こっこは、あまりの快適さに、埋没したまま再起不能に陥っていた。
と、ここまで書けば、もうお分かりであろう。
ガミラス星が滅びたら、地球を侵略すれば良い、と、デスラー総統は考えたらしい。
で。
この話のオチ。
今、私は、腰から下を毛布でぐるぐる巻きにして、食卓に向かってこのブログを書いている。
確か、もともとは、こたつでPCを使うためにビーズクッションを購入したような気がするのだが、あれはやはり、夢だったのかもしれない。
風が吹くと、桶屋が儲かる。
チビ猫旋風が吹くと、家主が割を食う。
そうだったね。ごめんよ。
でもキミ、いつもより余計に朝ごはんを食べたんだからね。
(戦い済んで日が暮れて)