アタゴロウくん、1年
アタゴロウが我が家に来たのは、1年前の12月29日。
まだ1kgに満たないチビネコだった。
それが、今は――
「お前、デカくなったなあ。」
膝に乗せたアタゴロウをいじくり回しながら、1年前を思い出して、つい感嘆の声が出る。
あ、そうだ。
ちょうど一年だし、そろそろ体重でも測ってみるか。
計測したところ、意外にも、4.6kgしかなかった。
「お前、ちっこいなあ。」
前後の台詞に若干の矛盾があるような気もするが、気にしない。
そもそも、男子猫の体重って、どのくらいが標準なのだろう。我が家には雄猫はダメちゃんしかいないので、相場というものが、さっぱりピンとこないのである。
まあ、こいつが、標準より小さいのか普通なのかは別として、1年前よりデカくなっていることは事実である。(当たり前だ。)以下の写真を見てほしい。
(2012年12月30日撮影)
(2013年2月26日撮影)
(2013年6月30日撮影)
(2013年9月15日撮影)
(2013年12月19日撮影)
先程、アタゴロウが我が家に来た日付を確認するために、過去のブログを読み返していたら、思いがけない記述が出てきて、笑ってしまった。
突然の闖入者に怒ったダメちゃんが猫パンチを繰り出すべく手を上げたのを、
「一生に一度しか見られないレアな光景だったかも」
と、書いていたのだ。
いーえ、残念ながら、全くそんなことはございませんでした。
その時の彼の怒りを「猫生で三度目のお怒りモード」と私は書いているが、ここ数カ月、彼は毎日、お怒りモードに突入している。それまでの8年間の“貯金”は、もういい加減、使い切っただろう。おそらく、月に1回ペースで怒っている同い年の猫より、ダメちゃんの方が、これまでの猫生で怒った回数は多いはずだ。
あの温和な大治郎くんがねえ。
こう書くと、何だかダメちゃんが平穏を乱されて可哀想な目にあっているようだが、その実、夜はビーズクッションの上で、二匹で舐め合っていたりするから、一応、仲は良いらしい。
そして、最近気付いた。
最近のダメちゃんは、耳の中がピカピカにキレイなのである。以前は、内側に黒いヨゴレが少しずつ付着してくるのを、時々取ってやっていた。アタが放牧状態になって1ヶ月後の3月末のブログにも、ダメの片方の耳の中が汚れていたという話がちらりと出てくる。そのヨゴレを見なくなって久しい。
つまるところ、おじさんは少年に、しっかり耳掃除をさせているのだ。
ちなみに、アタの耳の中は、形の入り組んだあたりに、良く見るとちょっぴり黒いヨゴレがついていたりする。ダメもアタの耳を舐めているとは思うのだが、大してやる気なく舐めているからなのか、それとも、舌が大きすぎて細かいところに届かないのか、その辺は定かではない。
アタは相変わらず、ダメに取っ組み合いを仕掛けてくる。
ダメが怒っている場面を見ると、単にしつこくされて嫌がっているのが3回に2回くらい。残り1回が、このプロレスごっこである。
ダメは、そんなことはやりたくない。
性に合わないのである。
その証拠に、彼は喧嘩が得意ではない。見るからに、いやいや応戦しているのが分かる戦いぶりである。
最初に書いたように、アタゴロウの体重は、4.6kgしかない。対するダメは6キロ超である。ところが、このところ、どうもアタの方が優勢に見えることが多いのだ。
今朝も、二匹は、ビーズクッションの上で取っ組みあっていた。
私は離れたところから、ちらちらその様子を眺めていたのだが。
ちょっと、ねえ…。
私とて、猫が喧嘩の時の戦い方として、敢えて仰向けになって背中を地面につける体勢をとる場合があることくらい、知っている。そうすることによって、4本の足の爪が全部使えるからだ。
でもねえ、ダメちゃん。
いくら4本足全部使えるったって、そんなに大股開きで、お腹をむき出しにしていたんじゃ、戦法としてはイマイチじゃないかしらね。
いや、しかし。
ダメがその体勢をとっていたことが、作戦ミスではないことを私は知っている。彼はやむを得ず、その体勢になったのだ。というのは、重さで容易に形の変わる不安定なビーズクッションの上で、すでにダメの体は、ずっこけて滑り落ちそうになっていたのである。
ううむ。
その凄い体勢のままで、ダメは健闘していたと思うが、やっぱり、お世辞にもカッコいいとは言えない戦いぶりであったことは、認めたくないが事実であった。
そして、今。
二匹はこんなふうになって爆睡している。
実はこれ、けっこうレアな光景である。
二匹でビーズクッションの上にいる時、たいてい、ダメはアタに乗られている。ついさっきまでは、こんな感じだった。
1年前のブログでは、ダメは自分のいるビーズクッションに侵入してきたアタゴロウを嫌がり、さっさと場所を明け渡している。あの頃と比べて4倍以上の大きさとなったアタゴロウ。だが、今は、二匹は狭そうだけど快適そうに、ひとつのクッションを共有しているのだ。
ま。
良かったのかもしれないな、アタがこのくらいの大きさで。
これ以上大きかったら、ダメちゃんはビーズクッションからはみ出しちゃうし、喧嘩も確実に負けちゃうもの。
彼が年上の権威を振りかざし、若者に耳掃除をさせておけるくらいが、ちょうどいいのだ。
アタゴロウは、大きさ的にはヨメと同じくらいだが、贅肉の下に筋肉がもりもりついているのが見えて、しっかり男の子体型である。イメージとしては、フレンチブルを一回り大きくしたような感じ。
後は、男の子らしく、頭が大きくなってくれるのを待つばかり。
先日訪ねてきた友人たちも、
「この子、頭小さいね。」
と、そのアンバランスが気になったようだったが、ダメだって、1歳になったばかりのころはそうだった。その後、だんだん頭が大きくなって、首ががっしりして、現在のカッコいいダメちゃんになったのである。
アタゴロウも、もう大きくならなくていいから、早く頭や首まわりががっしりとして、立派なフレンチブルになってほしい。
いや、今のケツばかり大きいシルエットも、それはそれで可愛いけどね。
来年の今頃は、どんなコンビになっていることだろう。
年明け早々からムショ入りしていたアタゴロウくんも、そんな大事件をよそにマタタビでラリっていたダメちゃんも、つつがなく、1年を終えました。
今年もありがとうございました。
それでは今年のシメに、本日撮れた、このお宝ショットを。
ダメちゃんの大あくびでした。さすが、デカい猫はあくびもデカい。
それでは、よいお年を。