謹賀新年

 

 
  
 あけましておめでとうございます。
 元旦の朝、ダメちゃんが最初にしたことは「エ」でした。
 
 

  
 そりゃよかったね。おめでとう。
 
 
 で。
 チビvsダメの模様であるが。
 元旦の様子は、特に書くことも、ない。
 バトルは自然消滅。朝晩の気温の低い時間帯は、ずっとくっついていた。
 新しいことと言えば、お互いに相手を舐めるしぐさが見られたことである。
 
 
 朝、ダメがチビの頭を舐めていた。


  
  
 夕方、チビがダメの顎のあたりを舐めていた。
 

  
  
 互いに友好的になって、それ自体はたいへん喜ばしいことなのであるが。
 じゃあ、一昨日のあの騒ぎは何だったのさ――と、大治郎氏を国会に招致して、証人喚問を行いたい衝動に駆られる、今日この頃である。
 
 
 もちろん、彼とて、一足飛びにここまで態度を軟化させたわけではない。
 一昨日と今日を繋ぐ時間。つまり、昨日は、彼なりに葛藤の一日だったのである。
 以下、大晦日の出来事を、振り返ってみよう。
 
 
 朝、家主が目を覚ますと、猫が二匹、朝メシの催促に現れた。
 このとき、チビはダメの排他的経済水域を何度も通過したが、ダメは抗議しなかった。
 朝メシのことで頭がいっぱいだったからかもしれないが、お、これはいけるかも、と、家主的には、期待が高まったものである。
 
 
 そして、朝ごはん。
 保護されて以来ずっと集団生活で、「自分専用の皿」という概念を持たないチビは、遠慮なくダメの皿に首を突っ込もうとする。
 それを家主が根気よく引き分けていたのだが、このときも、ダメは何も言わなかった。
 ただ、ダメの方は決して他者の皿から強奪ということをしないので、ダメが先に食べ終わった後、まだ食べ終わらないチビのお皿を見ながら、恨みがましい目をしていたことは、特記すべき事項である。
 
 

 

 

  
  
 食後、くつろいだ二匹は、ここまで接近。
 これ以上近付かない限り、ダメは文句を言わなかったが、ここまで近付いても決して目を合わせようとはしなかった。
 
 

  
  
 昼間。
 気が付くと、ダメは特等席を取り戻していた。
 
 

 
(恰好がオヤジくさい。)
  
  
 チビはと言えば…
 
 

  
  
 埋まっている。
 だが、この手の意味するところは何だろう?
 
 

  
  
 時は下り、夕飯時。
 猫どもは、二匹そろってご飯場所での圧力行動を始めた。
 なお、この時、私はまだこたつ近辺にいる。チビが私に対して直接要求を行わず、ご飯場所で「待ち」の姿勢をとったのは、やはり大治郎氏による示唆があったものと考えて相当であろう。
 
 

 

 

  
  
 そして。
 昨日掲載した写真。あれは、夕飯後の二匹の様子である。
 ついに、ダメはチビの接触を許した。
 チビは満足そうにダメの毛皮に顔を埋めているが、ダメの方は微妙である。
 そりゃそうだよ。ハナミズくっつけられてるんだから。
 
 

  
 デートの帰りの電車で、寝ちゃった彼女の頭が、肩にもたれかかってきた男みたい。
 
 
 その後、一夜が明けて、お互い舐め合う仲になったわけであるが。
 それにしても。
 あっけないほど早い。
 ヨメのときは、もうちょっと、時間がかかったような気がするのだが。
 これほどの迅速な対応。通常なら考えられない。
 おそらくは、水面下で、関係者による働きかけがあったのではないか――当局は、そう、睨んでいる。
 おそらくは、大治郎氏に多大な影響力を持つ、誰か。
 彼、もしくは彼女が、渋る大治郎氏を説得し、(あるいは、鼓舞し)、受入れを承諾させたのだ。
 
 

 

 

  

 

(※音声は、変えてあります。)
 
 
 本当は、大治郎氏は、不本意な思いでいっぱいなのかもしれない。
 今朝の「エ」は、家主の強引な政治手法に対する、彼のささやかな抗議行動だったのだろうか。
 
 
 やはり一度、大治郎氏を、証人喚問したいものである。