今年もお世話になりました。

と、タイトルに書いてみたところであるが。 (お世話も何も、全然更新していないじゃないか!!) と、自分に突っ込んでみる。 年末と年始だけ更新してお茶を濁すのも如何ものかとは思うが、まあやらないよりはいいだろう、くらいの気持ちで、今、とりあえず…

マクシミリアンの肖像(後篇)

わたしは自分で猫を選んだことがない、と、さくらは常々話していた。 これまで家にいた猫は、すべて、向こうからやってきた猫だと。 私が名前を知っている限りで、さくら家が飼っていた、あるいは、世話をしていた猫は八匹いる。その子たちはいずれも、戸外…

マクシミリアンの肖像(前篇)

この記事は、実は、ずいぶん前に書いたものである。 下書きの日付は、十一月八日。 公開寸前まで行っていたのだが、一部書き直しの必要が生じ、じゃあ直すか、と、保留していたところで、そのまま放置されていた。 このままお蔵入りにしようかなと思っていた…

平成の猫

2007年11月25日撮影 昭和天皇が崩御し、時代が平成へと移り変わったのは、私が大学二年生のときである。 「大喪の礼」のテレビ中継を、私は大学のスキー合宿へ向かうバスの中で見た。 その二年後、私は卒論を提出して大学を卒業した。私達の学年は、それまで…

今年もよろしくお願いします。

元旦から平常運転のアタゴロウ。(ヘンな格好) 新年早々、パンツ丸見えですが。 今年も変わらず、夜から営業の夜のオンナ。 割とまともな玉音の写真が撮れるようになってきたのは、単にスマホを機種変して、カメラの性能が向上したためである。 未だに遠く…

令和二年 大晦日

何と。 驚いたことに、もう大晦日である。 散々サボっておいて、大晦日とお正月だけ更新しようというのも、ずいぶん虫のいいハナシのようにも思えるのだが。 だが、その他の日はともかく、お正月を無視するというのは、ブロガーとしては廃業宣言も同様な気が…

そして彼女は途方に暮れる

写真はイメージです。本文とは関係ありません。 女は小さくため息をつくと、ひとくちだけ口を付けた飲み物を、脇へ押しやった。 雨の夕暮れ時。雑居ビルの中にしつらえられた、小さなカフェーの一角である。 (どうしてわたしは、ここにいるのだろう。) 六…

キャリアウーマンとその夫はDINKSになれるのか

実は、つい先日まで、三匹目の猫を飼おうかと画策していた。 迷いはなかった。亡くなった子に申し訳ないなどとは、昔から考えたことがない。私が一匹飼えば、その分、他の一匹の命が繋がる。それはほとんど信念に近いものだ。我が家の猫はみな保護猫であり…

大魔王の伝言

東京のお盆は、七月だという。 ただしこれは、明治時代の改暦の混乱の名残に加え、東京の人の多くはお盆時期になると地方の実家に帰るという事情から、便宜的に行われている「後付け」の習慣だと聞く。 そのせいだろうか。 東京に住んでいると、お盆が七月な…

ネブライザー詳説

さて。 またしても、久々の更新となるのだが。 もういい加減、アタゴロウのネブライザーのことを書いておかなければならないだろう。 アタゴロウの喘息自体は、今に始まった話ではない。そろそろ二、三年経つかな、などと軽く考えつつ、だが自分のブログを調…

飼い猫・野良猫・そしてステイホーム

ようやく東京も緊急事態宣言が解除された。 とはいえ、長い巣ごもり生活にも終止符が打たれ、これからは、晴れ晴れと自由を満喫する夏――というハナシにはならないのが現実である。 まず、そんなに簡単に警戒をゆるめるべきではない、という正論。もちろんだ…

手で触れることができる夜

この部屋には悪い気が充満している、と、不意に思った。 私は障子を開け放ち、和室の掃き出し窓を全開にした。冷たい夜気がゆっくりと部屋の中に流れ込む。私は畳の上に座って、ただじっと、無数の冷たい指のようなその空気の流れが、ひんやりと頬を撫でてい…

令和元年十二月

(今回設置した酸素ハウス。入口は写真左側。実際には、中のクッション部分はあと十センチほど厚みがあったと思って下さい。) 「年は越せたんだ。頑張ってくれたんですね。」 イケメン獣医師は言った。 「それでも、年は越せたのねえ。」 ドクター・ミツコ…

ご報告

すでにyuuさんのブログでご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、今日未明、大治郎が虹の橋を渡りました。 私が時計を見たのが零時二十一分でしたので、日付が変わって十五分から二十分くらいの間だったと思います。 十四歳と十一カ月。保護猫なので誕生…

寝ているところを撮ったんで、目が判別できなくてすみません。(笑) 今年も、ご挨拶はアタゴロウくんでした。 何度も言うけど、こいつ、本当にいいキャラしてるわ。 実家に帰らずに家にいたので、猫どものひなたぼっこの写真を撮ってみました。 例によって…

今年もありがとうございました。

(2019年4月撮影) 結局、今年もさっぱり更新しなくてすみません。(笑) 大して忙しいわけでもなく、体調に問題があるわけでもなく、日々、好き放題遊んでいるのに。 要するに、落ち着いて机の前に座る根気がなかったということで。 ダメは、相変わら…

その後

抗がん剤を止めることにした。 ほぼ衝動的な決断である。 十二月六日金曜日。 最後の抗がん剤を投与してもらった。夜、彼を迎えに行った際に、院長先生にそれを告げた。 「ステロイドは、どうしますか?」 先生は静かな口調で、私にそう尋ねた。 「あ、そう…

経過

記録として、残しておく。 ダメは現在、抗がん剤治療中である。 リンパ腫という確定診断がないままに、「賭け」ということで抗がん剤を始めたのだが、結果的に「当たり」であったらしい。 三回の投与後に、腫瘍は一見分からないところまで消えた。 それが、…

腹に一物ある男

九月二十八日土曜日。 病院に行ってきた。 火曜日(二十四日)に、腫瘍の経過観察とコンベニア注射のため、仕事を一時間早く上がらせてもらって、ダメを連れて通院したのだが、そのとき、 「何か、また痩せたような気がするんですよね。」 実際、痩せていた…

風が吹けば桶屋が儲かる

これまで黙っていたが、実は、我が家の猫トイレは、ほぼ無法地帯である。 何しろ、用を足した後、慣習に従ってきちんと排泄物を埋める者は、トイレ利用者のおよそ三十三パーセントに過ぎないのだ。 その三十三パーセントの模範利用者が、アタゴロウである。…

とりあえず酸素!(とりあえずという名の酸素はない)

昼間途中まで書いた原稿を、丸ごとボツにした。 現在、二十時三十六分。改めて最初から書き直している。 状況が若干、変わったからだ。 ダメの状況は落ち着いている、という書き出しだった。 食欲はあるし、呼吸の状態も良くなった、元気もある、という話。 …

続々・ダメちゃん病院へ

(今朝の大治郎さん) 忘れないうちに、経過だけを書いておく。 話は一昨日に遡る。 ダメが夕食を、ほんの少ししか食べなかった。 それまで、食欲があることだけが救いだったのに、「健康缶」を少し舐めただけでやめてしまい、そして、吐いた。 吐いた物の中…

続・ダメちゃん病院へ

今日はダメちゃんのCT検査の日であった。 が。 結論から言えば、検査はできなかった。病院に着いてみたら、呼吸状態が悪く、熱もあって、とても検査のできる状態ではなかったのだ。 何故、そんなことになってしまったのか。原因は、完全に私の不徳の致すと…

ダメちゃん、病院へ。

(八月十二日撮影。今でも横寝するとこんな感じ。) とりあえず、記録として書いておく。 今日、ダメちゃんを動物病院に連れて行った。 八月の半ば頃からだろうか。どうやらバテてきたな、という印象があった。もとより、歳をとってから食べ物の好き嫌いをす…

ブレイブパンツ

もう二十年以上も前になるが、メル・ギブソン主演・監督の「ブレイブハート」という映画を観た。 十三世紀末から十四世紀にかけて、イングランドの苛酷な支配に対抗し、スコットランドの独立を導いた英雄ウィリアム・ウォレスの生涯を描いた映画であるが、何…

今日撮った写真を

ブログを更新したいのはやまやまなのだが、どうにも文章を書く時間とエネルギーが工面できず。 しかし、放置し過ぎて、猫どもや私の健康状態まで心配して下さる方がいるので、どうしたものかと考えあぐねていたのだが。 よく考えたら、普通にブログらしく、…

ゼロの脅威

昨年十一月十八日。 後ろめたさにびくびくしながら猫専門病院の診察室を訪れた私を迎えたのは、イケメン獣医師の爽やかな笑顔だった。 「やあ。きょうは、どうしましたか?」 ――へ!? 怒られるかと思いきや、“どうしましたか”って…。 むむむ。そうきたか。 …

謹賀新年

今年のトップバッターは、アタゴロウくんでした。 では、次はダメちゃん。 ちょっと、ダメちゃん! もうちょっと、おめでたそうな顔、できないの? さいですか…(新年早々) 朝食後に撮影したのが敗因か。 それでは、次の方。 こちらも、先にメシを出したの…

年末墓参

(本日のダメ) 道路の落葉を掃く人がいる。 「大変ですな。風もあるし。」 「いやもう。向こうから吹くからね。」 近くに停めた車の主が話しかけている。二人は知り合いなのだろう。 「いつもなら、今頃はもう散り終わっているんだけどねえ。」 街路樹の公…

ダメちゃんサイボーグ伝説

ダメちゃんこと猫山大治郎氏が我が家に来て、早や十三年。 喜びも涙も分かち合い、唯一無二の相棒として共に歩んできた私達であるが、この頃になって、私は遅ればせながらある事実に気付き始めた。 (ダメちゃんは、普通の猫ではないのではないか――。) 仔猫…